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zoom RSS 「琉球の音楽」@福島県いわき市

<<   作成日時 : 2012/10/13 03:22   >>

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福島県いわき市。

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東日本大震災で大きな被害を被り、原子力発電所事故の影響は現在も深刻です。ただJR駅周辺はそれほど大きな被害の跡は見られません。街を歩いた感覚では、大きくはないけれど文化を大切にしている都市、という印象でした。

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これは公園内の彫刻ですが、こういうのが普通の道に普通に置いてあります。

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中国・撫順市とも友好都市なのだそうです。


そのいわき市で、「琉球の音楽」というイベントが10月6日、開かれました。

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沖縄といわき、遠く離れているし、一見何の関わりもないように思われますが、実は400年の時を超えたつながりがあるのです。

戦国から江戸初期、浄土宗の高僧で、袋中(タイチュウ・1552〜1639)という人物がいました。袋中は学識高い僧で、それをさらに磨こうと中国(当時の明)への留学を志し、ちょうど江戸開府と同年の1603年、当時の琉球王国に至ります。しかしこの頃、豊臣秀吉の朝鮮出兵の影響で日明関係はほぼ断絶しており、結局袋中の入国は認められず、3年後、帰国することとなります。
しかし琉球滞在中、袋中はその高い学識と人徳から、国王をはじめ政府高官から非常な尊敬を受け、彼のために寺も建てられます。
一方で袋中は、琉球で盆の行事は行われているのに盆踊りがないことを残念に思い、郷里である岩城地方(現在のいわき市)に伝わる「じゃんがら」をもとにして、新たな舞踊を考案しました。これが、今では沖縄と言えばすぐに連想される「エイサー」の原型だと言われています。


そうした縁もあってか、一般に東日本大震災への関心は西に行くほど低くなるといわれますが、沖縄では高い関心を集めています。福島からの避難者を手厚く迎え入れている他、沖縄のアーティストも、地理的に遠いにも関わらず、何度も福島を訪れています。


6日のイベント「琉球の音楽」は、「いわき芸術文化交流館アリオス」で開催されました。会場前は公園になっていて、少し早く着いたのでそこで待っていたら、何と、エイサーが始まりました。

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地元いわき市のチームで、「美(チュ)ら てぃーだ」(美しい太陽、という意味)というのだそうです。
人数も多いとはいえず、本場沖縄はもとより、だいたい20年くらいの歴史を持つ関東のエイサー各チームに比べても、迫力があるとはいえません。でも、袋中上人の故郷であるいわきに、彼が琉球に伝えたエイサーが400年の時を超えて戻ってきて、地元の人たちによって演じられていることには感動しました。未曾有の災害に見舞われた故郷を見かねた袋中が、エイサーを沖縄から呼び戻したのだ、と思えてなりませんでした。
(※公式サイトがないようなので確認できませんが、いわき「美らてぃーだ」は2008年には活動を初めていたようです。しかし震災によって練習場が被災、メンバーも避難するなどして中断に追い込まれ、半年たった11年9月にようやく再開できたのだそうです。)

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こんな可愛い踊り手も…。この子たちが大人になる頃には、チームもきっと大きく力強くなっていることでしょう。このエイサー、後で会場内でも演舞されました。


さて、「琉球の音楽」。今まで言った「400年の絆」のことは一般には広く知られておらず、果たしてどれだけの観客が集まるかと思っていたのですが、500〜600人規模のキャパと思われる会場は満席。出演者のネームバリューからして、私のように他所から来る人も多かったでしょうが、やはり地元の方が大半だったようです。これを機に、福島と沖縄の絆が更に固くなれば、と思います。

オープニングアクトで登場した「サンサナー」は女性3人組。沖縄の伝統音楽と舞踊にポップスをミックスした、楽しく元気いっぱいのユニットです。「サンサナー」とは沖縄の言葉で「蝉」という意味なのですが、「にぎやかな娘たち」という意味もあるそうです。その名の通り、はち切れんばかりの若さ溢れるステージ。最年少ながら三線・メインヴォーカルを務めるユリエさんの歌声がとても良く響きます。これからの飛躍に期待、です。
http://www.sansanar.com/home.html (「サンサナー」公式サイト)

続いて古謝美佐子さん。沖縄音楽に詳しい方なら「エッ?!」と思われるでしょうが、ここで登場です。多くのアーティストがカヴァーした「童神(ワラビガミ)」の作者として有名。沖縄音楽の、いわば大御所といえます。
58歳という年齢、歌声も透き通っているとはいえないのですが、それでも何というか、神懸かり的な凄さは古謝さんにしかできないものです。歌い出した瞬間、雷に打たれたようになり、歌っていくうちに自然と涙か出てくるような感覚は、文章では伝えられません。CDでもなかなか伝わらないので、沖縄に限らず音楽に関心のある方は、ぜひ一度古謝さんの唄を生でお聴きになってみてください。
http://www.kojamisako.com/ (古謝美佐子さん公式サイト)

次に下地勇さんが登場。下地さんもかなりのネームバリューがあるアーティストなのですが、「どうして(古謝さんのような)大御所が僕の前なんだ…」とブツブツ…。(^^;)
下地さんは宮古島の出身。歌詞はすべて宮古の言葉で書くというこだわりがありますが、曲調の方はあまり沖縄を感じさせるものではなく、ブルースを中心にレゲエ・フォルクローレなど多彩な音楽が特徴です。
今回のステージではフォークロックのような選曲が多かったようです。小さな者が大きな力に立ち向かって、自らの道を切り開いていく楽曲が多く、被災地を勇気づけるステージでした。
下地さん、10月20日にはデビュー10周年のイベントを宮古島で行います。
http://isamu.arize.jp/ (下地勇さん公式サイト)

トリは「パーシャクラブ」。新良幸人(アラ ユキト)さんを中心に、沖縄音楽と様々なジャンルの洋楽を融合した、独自の世界を展開するバンドです。その楽曲は多方面で使われていることから、「パーシャ」の名前は知らなくても楽曲は知っているという人も多く、「あ、これってパーシャの曲だったのか」ということもしばしばです。
新良さんの唄と三線には、魂が籠もっている、というか、強力な何かが宿っているような感じです。沖縄の力をいわきに持ってきてくれたようでした。
http://www.cosmos.ne.jp/~parsha/index.html (「パーシャクラブ」公式サイト)


最後に出演者全員がステージへ。そしてカチャーシーだったのですが、お客さんもだいたいの人が出来ていました。いわきにも意外と沖縄フリークが多いのかもしれません。
震災復興はまだ始まったばかりと言ってもよく、前途は多難が予想されます。しかし、遠く沖縄からでも、福島を応援しようとする人は多数います。その力が復興の後押しになることを願うとともに、直接の後背地である関東の人間として、ちょっとは見習わないといけない、とも感じたイベントでした。


今回会場となった「いわきアリオス」では、今後も興味深いイベントが多数行われます。
http://iwaki-alios.jp/index.html (「いわき芸術文化交流館アリオス」公式サイト)

また10月20日(土)・21日(日)両日、「いわき街なかコンサート」というイベントが開催されます。私の知っているアーティストでは、庄野真代さん、いわさききょうこさん、アカペラグループ「CUBIC」が出演します。
http://www.iwaki-machicon.com/index.html (「いわき街なかコンサート」公式サイト)

いわき市は、東京からだと日帰りも充分可能な距離です。ハワイアンリゾートとか、アクアマリンふくしまなど、有名な観光スポットもあります。津波の跡を見たりしなくとも、自分で足を運んでみるとやっぱり意識は変わってきます。被災地といって身構えず、ともかく一度、行ってみてはいかがでしょうか。

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